CO2インキュベーターとは?

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CO2インキュベーターは『温度』『湿度』『CO2濃度』の数値を好きな値に設定し、その環境を一定で安定した状態に保つことで、さまざまな試薬や細胞などの媒体をより相応しい条件に近い状態で培養するための機械です。

CO2インキュベーターの基本的な構造は冷蔵庫のようなもので、庫内を加温することでして温度をコントロールし、庫内にある加湿装置で湿度を調整します。そして庫内には内部の空気を循環、排気するためのファンやCO2ガスを充填するための装置とセンサーが設置されており、好きな値を設定することで環境を変えることが出来ます。
また、槽内には空気・CO2ガスを攪拌するためのファンが取り付けられており、CO2ガスは槽内のCO2センサにてコントロールします。槽内の底面には加湿用のバットを置き、バット内の水が自然蒸発することで槽内湿度を90%以上にキープすることができます。

CO2インキュベーターの温度制御方式には大きく2種類に分けられます。

・ウォータージャケット方式
CO2インキュベーターのチャンバー(庫内)外壁と内壁の間に水を注入でき、庫内を水で覆うようなシステム。周りの水を温めたり冷やすことで庫内の温度を調整します。歴史ある制御方法で現在も多くのところで使用されている。
メリットは、保温効率が高く、温度の安定性や温度ムラが少なく、細かい調整がしやすい。不測の停電やアクシデント時にもでもすぐに温度が下がらず、庫内の資料を保つことが出来る。
デメリットは、水の温度変化には時間がかかり、設定温度を変更してもすぐには変えられない。構造が複雑で水が注入されているため管理や移動するのが大変。

・エアージャケット方式
CO2インキュベーターのチャンバー内壁面にヒーターを内蔵し、直接熱を発生させ庫内の空気を温める方式。高温の空気を循環させることで庫内を高熱滅菌することも可能。
メリットは、温度調整が素早く変更可能。構造がシンプルで、価格が比較的安価。水を使わないので軽量である。
デメリットは、設置場所や季節などの周囲環境変化で温度が影響されやすい.
不測の停電やアクシデント時に、短時間で温度低下が発生する

どちらの方式にメリット・デメリットがあります。
お使いの環境や使用用途に合わせ、最適なモデルをご検討下さい。

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